奨学金制度とは?①どんな種類があるのか教えます!
年度の変わり目が近づいてくる2月〜3月。学生さんの中にはさまざまな事情により、これから先の進路に悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
今回の記事では、“大学へ通うのに必要なお金が心配で進路を迷っている高校生” におすすめの、奨学金の「予約採用」について紹介します。
※ “次年度からの進学・中途退学して就職” を迷っている大学生、大学院生はこちらの記事をお読みください▼
参考:coming soon…
POINT
✔️ 大学進学前の学生さん対象!
✔️ 進学か就職か、ギリギリまでじっくり考えられる
✔️ 不採用でも、進学の意思があれば「在学採用」で再チャンスがある
奨学金の採用方法には
予約採用とは、さまざまな事情(特に家庭の経済状況)を理由に大学への進学をためらう高校生が安心して学び続ける選択ができるよう、
“申込条件”を満たしたうえで対象となる奨学金制度の運営団体が設けた審査を通過しなくてはなりませんが、審査が通ると「奨学生採用候補者」として認められ、進学が決まってから奨学金を受給できるようになります。
一方で在学採用とは、“進学後の学生で奨学金を利用したい方”が大学在学中に申込手続きを行うものです。そのため、高校生の段階では申し込むことができません。
国内には奨学金制度を設けている団体がたくさんありますが、どこの制度でも予約採用を取り入れているわけではありません。
予約採用が行われている団体で最も有名なのは、日本学生支援機構です。
日本学生支援機構以外だと、
ただし、大学・専門学校が独自に行っている予約採用は「その学校に進学することを決めている」学生さんしか選択できません。民間団体の予約採用は進学先の大学に指定があったり、居住地や家庭状況などが限定されている場合がほとんどです。
それに対して日本学生支援機構の予約採用は、採用基準が「家計基準」と「高等学校等における学力基準」のみで、
また、日本学生支援機構の「平成30年度業務実績等報告書」によれば、大学生で奨学金を受給している学生の約70%が、高校生のときに奨学金の「予約採用」を申し込んで採用されている方だそうです。
日本学生支援機構の予約採用は、高校生が在学校を通じて申し込みをする仕組みになっており、。年に2回行われるため、学生さんにとって選択しやすいのが特徴です。進路を迷っている場合は、はじめに日本学生支援機構の予約採用を検討するのが良いでしょう。
そこで、ここからは「予約採用=日本学生支援機構の予約採用」として説明を進めていきます。
「進路に迷っている段階だから、奨学金のことは完全に進学が決まってから考えればいい」「進学後も奨学金を申請できるなら、在学採用に申し込めばいいかな」……と思う方もいるかもしれませんが、できればまず予約採用に挑戦しておきましょう。
在学採用といくつか違いがあり、予約採用ならではのメリットが4つあるからです。
進学先の状況によって採用される確率が異なってしまうのが在学採用です。
在学採用の場合、例えば「A大学では10人が奨学生になれるのに対し、B大学では3人しか奨学生になれない」というように、
そのため採用される確率は、希望の進学先がどれだけ採用枠を持っているかにより変化します。その年の奨学金希望者が多いか少ないかという“運”も影響します。
予約採用は、進学先にかかわらず全国の高校生に対して募集を行っています。そのため、
予約採用で奨学生採用候補者と認められた場合、大学入学後に日本学生支援機構へ進学届の提出など所定の手続きを進めることで、正式に奨学生となります。
しかし手続きをするまでに「国立の予定だったけれど私立に進学した」「自宅通学の予定が自宅外通学になった」「家計がより厳しくなった」など家計や進路変更が起き、受給額や保証方法など必要な奨学金の内容が変わることがあるかもしれません。そうした場合は、進学届の提出と一緒に多くの項目を変更できます。
在学採用でも後から奨学金の内容を変更することはできますが、その際は様々な書類を揃え直さなければなりません。予約採用の方が変更の手続きは簡単です。
入学後の手続きを忘れてしまうと奨学生となる資格を失ってしまうので、奨学生採用候補者になり進学を決めた場合は、入学後に手続きをするのを忘れないでおきましょう。
日本学生支援機構の奨学金制度は、学生さんにとって将来の返済負担が少ない
の順に希望者が多い傾向にあります。
日本学生支援機構が公表している令和3年度の「予約採用候補者数(給付・無利子・有利子)」によると
で、人気の制度(将来の返済負担が少ない)であればあるほど採用人数が少なく、狭き門であることがわかります。
しかし予約採用時に不採用となっても、進学の意志があれば
また、第一種奨学金の予約採用候補者となった方が在学採用で第二種奨学金も希望するなど、進学後に追加で奨学金を申し込むこともできます。
次の章で説明しますが、予約採用自体が年に2度行われるため、1回目から申し込んでおけば、「2回の予約採用+在学採用」という最大3回の採用チャンスが得られます。
進学したい気持ちが強い方ほど、予約採用に申し込んでおくほうが奨学生になれる可能性が高まるといえますね。
以上の点から、進学をするかどうか迷っている高校生は、とりあえずでも予約採用に申し込んでおくのがおすすめです!
※もちろん進学することは決定しているという高校生の方にも、予約採用はおすすめです。進学先が明確に決まっているという方は、「進学先の大学が独自に奨学生を募集していないか」「日本学生支援機構の予約採用以外にも募集枠がある場合、日本学生支援機構との併用が可能かどうか」などをチェックしてから、予約採用の手続きをすると良いでしょう。
大学進学用の予約採用に申し込めるのは
です。
予約採用の募集は「年に2回」あります。
高等学校卒業程度認定試験合格者(合格見込者を含む)は日本学生支援機構へ直接申し込む形で、日本学生支援機構が資料請求の期間や申込期間をお知らせしています。下記のリンクを確認してください。
高校生・浪人生であれば、在学校・卒業学校を通じて行います。申し込み期限はそれぞれの学校によって異なりますが、
の場合が多いようです。
2021年度は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、臨時措置として3回目の予約採用募集が7月に実施されました。学校によっては申し込み期限を延長したケースもあります。
このように社会情勢によっては募集回数や期間が変わりますので、必ずその年の学校からの案内を参照してください。
基本的に学生さんがやることは4つだけです。
「学校に提出するもの」「インターネットへ入力するもの」「日本学生支援機構宛に郵送するもの」が分かれていますので、それぞれ間違えないようにしましょう。
先ほども説明したように、学校への書類提出期限もスカラネットへの入力期限も、在学している学校によって違います。なお、マイナンバーの郵送はスカラネット入力後1週間以内です。
必ずご自身が通う学校が指定した申し込み期限を確認し、間に合うように準備しましょう。
予約採用候補者の採用結果の公表は、各学校によって異なります。例年だと、高校3年生の秋〜冬のところが多いようです。正確な日程が知りたい方は、在学校の担当者に聞いておきましょう。
文部科学省によると、令和3年3月(2021)に卒業した1,012,007人の高校生のうち、高校卒業後に大学・短期大学へ進学する人の割合は57.4%で、専門学校等への進学者の割合は22.1%。そして就職を選ぶ若者の割合は15.8%だったそうです。(参考:文部科学省「高等学校卒業者の学科別進路状況(令和3年3月卒)」)
単純計算すると「高校卒業生の6人に1人が進学ではなく就職を選んでいる」状況です。
株式会社ジンジブ(本社:大阪府大阪、代表取締役:佐々木満秀)が卒業後に就職を考えている高校生1,049名に実施した「就職活動に関するアンケート(2021年7月)」では、高校卒業後に就職しようと思っている理由が
だったといいます。「就職を選んだ高校生の4人に1人が、経済的理由で進学を諦めている」ようです。
もちろん大学受験には年齢制限がないため、高校卒業後に働いてお金を稼いでから入学するという選択肢もあります。タイミングは人それぞれですが、進学か就職かは大きな決断のため、なかなか決めきれないという学生さんは多いはずです。
しかし、どちらを選択するにせよ、早めに準備やお金が必要なことは間違いありません。
進学をしようか卒業ギリギリまで迷いたい……そんな高校生がゆっくり進路を考える余裕を持つのに「予約採用」はピッタリです。ぜひ在学校からの案内を参考に、申し込んでみてください。
参考:https://www.jasso.go.jp/shogakukin/moshikomi/yoyaku/index.html