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【日本学生支援機構の奨学生向け】本年度もあとわずか…現役奨学生は「奨学金継続願」の手続きをお忘れなく!

高校生向け
2021.12.26

いよいよ新年度が迫ってきました!年度が移り変わる時期には、一部の奨学生にとって非常に重要な手続きがあります。それは「奨学金継続願」です。この手続きをし忘れると、今後、奨学金を利用できなくなってしまうことも……!

今回はそんな「奨学金継続願」について、詳しく解説していきます。

この記事はこんな人におすすめです

 

✔️ 日本学生支援機構の現役奨学生

✔️ 初めて奨学金を利用する方

✔️ これから奨学金の利用を検討している方

✔️ 奨学金のことを知りたい方

 

毎年冬には「奨学金継続願」の手続きをしよう

「奨学金継続願」は、日本学生支援機構の貸与・給付いずれかを利用している奨学生が、年一回、必ず行わなければいけない手続きのこと。

“翌年度も日本学生支援機構の奨学金を希望する・希望しない”という、奨学生本人による書類の意思表示です。

 

大まかに手続きの流れを説明すると、

  • インターネットで必要な書類作成&提出を行う
  • その書類をもとに奨学生の在学校が審査を実施(「適格認定」といいます)

在学校の審査の結果、奨学金の“継続可”と判断された方のみが、翌年度も奨学金を利用することができます。

 

「適格認定」で審査される3つの要素

日本学生支援機構によると、奨学金の継続には

  • 人物について:生活全般を通じて態度・行動が奨学生にふさわしく、奨学金の貸与には返還義務が伴うことを自覚し、かつ、将来良識ある社会人として活躍できる見込がある
  • 学業について:修業年限で確実に卒業又は修了できる見込がある
  • 経済状況について:修学を継続するため、引き続き奨学金の貸与が必要であると認められる

が重要視されるとのこと。

この3つの要素に基づいて審査をした結果、奨学金提出願を提出した全員が、必ず「廃止」・「停止」・「警告」・「継続」のいずれかに区分されます。

  • 廃止:奨学生の資格を失い、奨学金交付が取りやめとなる
  • 停止:1年以内で学校長が定める期間、奨学金の交付を停止。学業成績が回復した場合は、奨学金の交付を“復活”することがある
  •  警告:奨学金交付は継続するものの、学業成績が回復しない場合は「廃止」または「停止」になる
  • 継続:奨学金の交付を継続する

 

適格認定の結果はどう分かる?

「継続」以外の処置を受けた方へは、3月中に学校から「処置通知」が交付されます。区分によって必要な手続きが異なるため、学校の指示に従います。

「継続」の場合は通知や連絡はなく、4月に自分の口座へ奨学金が振り込まれているかどうかで確認をします。

 

いつ「奨学金継続願」の手続きを行うの?

毎年12月〜、各大学によって異なります

詳しい方法は後ほど紹介しますが、奨学金継続願は日本学生支援機構の情報システム「スカラネット・パーソナル(以下、スカラネットPS)」への入力によって、オンライン上で書類を作成&提出します。

在学校による審査(適格認定)をはさみますので、手続きの締め切り日は一律に決まっているわけではありません。

例えば京都府立大学の案内では、2021年12月15日(水)~2022年1月25日(火)まで。静岡文化芸術大学の案内では、2021年12月15日(水)〜2022年1月31日(月)までが手続き期間となっています。

在学校により期限は異なりますが、おおよそ12月〜翌年2月までとなります。

必ず各学校機関に確認し、早めに行動していきましょう!

 

「奨学金継続願」を提出をしなくても良い人はいる?

今年度(令和3年度)3月に貸与終了予定の以下の方は、奨学金継続願を提出する必要がありません。

また、奨学金継続願の申請時期中に奨学金の利用を休止中または停止中の学生さんも届け出は必要ありません。

後述する在学校から交付される「奨学金継続願の提出にかかる書類」の「貸与通知書」に、奨学金継続願が不要と記載されている方も提出しなくて良いとされています。

 

来年度からは奨学金を利用しない場合は?

まだ卒業はしないものの、今後は奨学金を利用しない=奨学金の“辞退”を希望する場合でも、奨学金継続願の提出が必要です。

「奨学金の継続を希望しません」という項目があるので選択し、書類を作成してください。

 

もし届け出を忘れてしまったらどうなる?

奨学金継続願の手続きを忘れてしまうと、利用している奨学金の種類に応じて以下の通りの措置がなされます。

 

■ 貸与奨学金

未提出者は在学校の審査結果が「廃止」となり、奨学生としての資格を失います。

翌年度4月以降は奨学金が振り込まれません。これまでの奨学金返還を求められますので、十分注意をしてください(※在学期間中は、返還猶予の申請が可能です)。

 

■ 給付奨学金(2020年4月からの新制度)

未提出者は在学校の審査結果が「停止」となり、翌年度4月以降の奨学金振り込みが止まります。

奨学金の継続を希望しない場合も「停止」となります。

停止期間中は奨学金の支給はありませんが、給付期間と通算されるため、総支給月数から削減されます。「停止」からの“復活”手続きについては、学校に確認してください。

新しくなった給付奨学金制度については、下記の記事も参考にしてください。

【日本学生支援機構】2020年、新制度になった「給付型奨学金」とは?

 

■ 給付奨学金(2018年、2019年の旧制度)

未提出者は在学校の審査結果が「廃止」となり、奨学生としての資格を失います。

翌年度4月以降は奨学金が振り込まれません。

 

「奨学金継続願」の手続きについて

ここからは、奨学金継続願を提出する具体的な方法について説明します。

書類の提出は日本学生支援機構が用意しているスカラネットPSを通じて、オンラインで行います。

  • スカラネットPSに登録する(未登録者のみ)
  • 在学校から毎年12月〜2月頃に交付される「奨学金継続願の提出にかかる書類」を入手する
  • 学校の指示に従い、決められた期間内にスカラネットPSで「奨学金継続願」を提出する

奨学金継続願の提出にかかる書類とは?

奨学金継続願をスカラネットPSへ入力する前の準備に必要な書類です。

  • 貸与通知書:スカラネットPSの登録状況と奨学金継続願提出の必要・不要が記載されている
  • 「奨学金継続願」入力準備用紙
  • 家計を支えている人の収入に関する証明書

学校によってはホームページやメール配信で学生にダウンロードさせるほか、奨学金継続願に関する説明会が開かれ、書類が配布されることもあります。説明会があればぜひ参加すると良いでしょう。

提出にかかる書類には「『奨学金継続願』入力準備用紙」という、手書きで記入する”下書き”があります。スカラネットPSへ入力する前にこの用紙を手元に準備しておくと、誤入力の防止や円滑に入力できるので、活用するのがおすすめです。

 

注意点① スカラネットPSのIDとパスワードを設定しましょう

初めて奨学金継続願の届け出をするときは、スカラネットPSのユーザIDとパスワードを新たに登録してください(※2年目以降は登録不要です)。

奨学金継続願で使うスカラネットPSは、奨学金申込時に使った「スカラネット」とは別サイトのため、奨学金申込時のユーザID・パスワードは利用することができません。

「スカラネットなら、奨学金申込の時にもう登録してある」と勘違いされる方がよくいますので、十分注意してください。

 

注意点② スカラネットPSへの登録=提出ではありません

スカラネットPSへの「登録」だけで奨学金継続願を提出した、と誤解する学生さんもいるようです。そのままにしておくと「奨学金継続願の未提出」と判断され、奨学生の資格を停止もしくは廃止されてしまいます。学校から交付される書類を参考に、必ず登録後に書類の作成作業を行ってください。

スカラネット・パーソナルへの登録のみは、こちらを参照してください。

 

注意点③ スカラネットPSを利用できない時間帯があります

スカラネットPSで入力できる時間は、午前8時 ~ 午前1時までです。

これ以外の時間は入力できないので注意してください。

 

注意点④ 下記の環境以外では利用できません。

  • OS(オペレーティング・システム):
    Windows 8.1、Windows 10
    iOS 11以上、 AndroidOS 8.0以上
  • ブラウザ(ホームページ閲覧ソフト):
    Internet Explorer 11、 Microsoft Edge、
    Mobile Safari、 Android用モバイル版Google Chrome

上記以外のシステム環境からはスカラネットPSの利用ができませんので、ご注意ください。

 

併用して奨学金を利用している場合は?

日本学生支援機構では、貸与型奨学金の第一種(無利子)と第二種(有利子)の併用(「併用貸与」という)が認められています。また、貸与奨学金+新しい給付奨学金を合わせて利用することもできます。

こうした“併用者”が奨学金継続願を出す場合、それぞれの奨学生番号による提出が必要です。

「第一種のみは継続したいけど、第二種はもう必要ない」といったような場合は、第一種は 「継続を希望します」、第二種を「継続を希望しません」で入力をしてください。

 

提出すれば「必ず」継続して奨学金が利用できる?

実は奨学金継続願を提出したからといって、翌年度の奨学金の交付が必ず約束されるとは限りません。

前述した在学校による「適格認定」で奨学生としてふさわしくないと判断された場合は、継続願を提出しても、奨学金の「廃止」もしくは「停止」処置が行われます。

 

まとめ

日本学生支援機構の奨学生は、翌年度も奨学金を受ける・受けないにかかわらず、「奨学金継続願」の手続きが年度の変わり目に必ず必要です。

現役奨学生で手続きに関してわからないことがあったら、在学校から交付された書類や学生相談窓口、奨学生採用時に配布された「奨学生のしおり」や機構ホームページを参照してください。

これから日本学生支援機構の奨学金利用を考えている方は、採用後に継続の手続きがあることを頭に入れておいてください。せっかく採用されたのに、奨学金継続願を忘れて奨学生の資格がなくなってしまった……ということを防ぎましょう!

 

 

「奨学金継続願」について、日本学生支援機構の情報はこちらから

貸与奨学生:奨学金継続願の提出

給付奨学生:奨学金継続願の提出

 


参考:https://www.jasso.go.jp/shogakukin/index.html