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【体験談!その②】給付型奨学金で学ぶ先輩の声〜「チャレンジしやすい」奨学金〜

奨学生インタビュー
2021.05.29

給付型奨学金に採用された先輩たちの“声”をお届けする、連載記事第2回!

Cronoに集まった17件の体験談を、それぞれ特徴に分けて紹介していきます(全3回)。

 

奨学生の声!第2回は5つの体験談

第1回は「交流」が充実している奨学金 を紹介しました。

この記事では第2回として、

  • 「チャレンジしやすい」奨学金

より、5つの体験談を紹介します。

その他の体験談は記事の最後にリンクを貼っておきますので、続けて読んでいってくださいね。

「チャレンジしやすい」奨学金

給付型奨学金制度は、財団によって異なるものの、審査における「家計基準」や「成績基準」が、貸与型と比べて厳しい場合があります。また「指定大学のみ」や「年齢制限」が設けられているものもあります。

しかし下記の体験談に登場する

  • 一般財団法人 野崎わかば会奨学金
  • キーエンス財団“がんばれ!日本の大学生 応援給付金”
  • 中村積善会奨学金
  • ナガワひまわり財団
  • 長谷川財団奨学金

では「家計状況や成績が不問」であったり、「書類選考のみ」であったり、「全国どの大学からでも応募ができる」などと、募集枠が広く「比較的申し込みのハードルが低い」ようです。

 

一般財団法人 野崎わかば会:Sさん(国立大学・理系

  • 株式会社東京データーセンター (現:TDCソフト株式会社)代表取締役を務めた故・野﨑克己氏の遺志をついで設立
  • 対象は 指定大学等の学生68名
  • 給付額は 3万円/月(1年間)

 

ご自身が採用されたポイントはどこだと思いますか?

– 私は1人親家庭で育っているため、家計基準に合格しやすかったのではないかと思います。また、大学入学前の成績がかなり高かったことも、採用されたポイントではないかと考えています。

 

この奨学金で、学校生活にどんな影響がありましたか?

– 学費や生活費を気にせず、学業に専念できるようになりました。

また、デスク環境や食事、書籍など、今までお金をかけにくかったものに対しても投資できるようになり学校生活が充実していると感じます。

奨学金のおかげで今、生活をすることができています。財団の方々には感謝しきれません。

 

その他、後輩に伝えたいことはありますか?

– この奨学金は毎年3〜4月ごろに募集の告知があり、7月頃に支給決定があります。提出書類は最小限。書類選考のみで比較的応募しやすいと思います。

大学を通じての応募です。対象大学になっていないか、ぜひ大学の窓口で確認してみてください。

 

ーエンス財団“がんばれ!日本の大学生 応援給付金”:KRRさん(私立大学)

  • 株式会社キーエンスが設立
  • 対象は 大学2〜4年生(4年制大学は全学部対象)1000名
  • 給付額は 一括30万円
  • 経済状況は不問
  • 新1年生向けに 8万円/月(500名)の制度もある

 

ご自身が採用されたポイントはどこだと思いますか?

− 私は選考時に提出する小論文で「受け取った奨学金をどのように使用するか」を明確に論述することを心がけました。

これにより、審査する企業様側が「この学生であれば、奨学金をより有効に使ってもらえる」と感じてくださったことが良かったのではないかと思います。

 

この奨学金で、学校生活にどんな影響がありましたか?

− この応募をきっかけに、「自らの夢を応援してくれる企業がある」ということを知りました。

審査の際に行った「自分の夢を文字に起こし、他者に伝える」という作業は、私にとって初めての挑戦でした。それが「給付対象者認定」という形で認められたということは、“今後よりいっそう、果敢に夢に向かって努力していきたい!” と私に思わせるきっかけになりました。

 

その他、後輩に伝えたいことはありますか?

− この奨学金は頑張る“全員”を応援してくれるものです。

これまで私は「家庭の経済状況の制限」によって、奨学金に応募することが出来ず、悔しい思いをしていました。

そんな時、経済状況不問である当奨学金に出会い、また給付対象者として選んでいただけて、本当に良かったです。

応募は大学を通じてではなく、学生自身で行う必要があります。募集期間を忘れずにチェックしておきましょう。

 

中村積善会:とんちいさん(私立大学)

  • 中村 静尾 氏が、幼少期に母子家庭となり学業を断念した経験から設立
  • 対象は 指定大学の推薦を受けた学生
  • 「出願時に40歳を超えていない者」と、大学院生や社会人からでも申請できる
  • 給付額は 3万円/月(在学大学の最短終業年まで)
  • 給付3万円に加えて、無利息で5万円貸与される「併用型」の募集もある

 

ご自身が採用されたポイントはどこだと思いますか?

– 出願時に、学校に入った理由と将来やりたいことを紐づけて文章化したことです。また、何にお金が必要かも具体的に記載しました。そして、できる限りきれいな字で書くことも意識しました。

 

この奨学金で、学校生活にどんな影響がありましたか?

– まずは金銭的な心配がなくなりました。

私が学習で必要とする医学関係の本は高額です。しかし奨学金のおかげで、そうした専門書を躊躇することなく購入できます。アルバイトをしなくても済み、その分勉強に時間を費やし、深い学びができることが嬉しく思います。

創設者の中村静尾さんは幼少期、母子家庭で学業を断念したということでしたが、私の母も年長の時にお父さんを亡くし、大学進学を断念しています。

今も我が家の家計に余裕はありません。しかし、私は奨学金のおかげで大学へ進学できました。勉学に専念できるありがたみをかみしめ、将来働きだしたときには社会に貢献していきたいです。

 

その他、後輩に伝えたいことはありますか?

– 中村積善会では、毎年「懇談会」もあります。現役奨学生はもちろん、卒業生も参加するため、色々な話が聞け、とても有意義です。

大学を通しての応募となりますので、対象の大学の方は各大学の担当窓口に確認してみてください。

 

ナガワひまわり財団:さくらさん(私立大学)

  • 現在のアヲハタ株式会社およびキユーピー株式会社を展開した中島董一郎氏が設立
  • 対象は 年間35名。「日本国内の大学(2年~4年)」と、所属大学は応募資格に関係がない
  • 大学院修士課程・博士後期課程の方も応募できる
  • 支給額は 3万円/月(最長2年間)

 

ご自身が採用されたポイントはどこだと思いますか?

– 選考過程であった「面接」の際に、学業に対する取り組み家庭の状況をわかりやすく伝えられたことです。面接では担当の方が15分間、私の話を親身になって聞いてくださりました。

家庭状況を問う「作文」で、学校の先生に何度も添削をもらって作成したことも挙げられると思います。

 

この奨学金で、学校生活にどんな影響がありましたか?

– 奨学金をいただいて良かったことは2点あります。
1点めは、学費の負担が減ったことです。アルバイト代を自由に使えるようになりました。
2点めに、母の給料が食費などの生活に欠かせないところに当てられるようになったことです。

 

その他、後輩に伝えたいことはありますか?

– ナガワひまわり財団の選考は、面接でほとんど決まると思います!

書類は財団HPから取得し、自身で直接郵送する必要があります。応募時期などを、自分でしっかり確認しておくと良さそうです。

 

長谷川財団:コマさん(国立大学・医療系)

  • 長谷川 正史 氏によって設立
  • 対象は 大学生または大学院生(毎年30名程度)
  • 支給額は 3万円/月(在学する学校の正規の過程終了日まで)
  • 他の奨学金とも併用可能

 

ご自身が採用されたポイントはどこだと思いますか?

– 奨学金の選考を通った要因は大きく分けて2点あると思います。

1点目は、GPA3.1と成績が不良でなかったこと

2点目は、推薦書の内容が良かったのではないかということです。

推薦書は大学の教員に書いてもらいました。内容は、自分が学外で勉強会に積極的に参加していることや、研究室で行った研究を今後私が学会で発表するというようなことです。

このように推薦書が比較的充実させられたのが、採用につながったと思います。

 

この奨学金で、学校生活にどんな影響がありましたか?

– 学校生活では、学年が上がるにつれて教科書代や国家試験対策の教材費、実習にかかる費用が増えてきます。さらに実習が本格的に始まると、アルバイトする時間も厳しくなり収入が減ってしまいます。

そんななか、奨学金を必要な費用にあてられるので、本当に助かっています。

 

その他、後輩に伝えたいことはありますか?

– 私には、給付型奨学金をいただく身であるからには忘れないでおきたいと思うことがあります。

この奨学金は、財団はもちろん、個人や財団に関連する会社からの寄付から成り立っているということです。

給付型奨学金事業へ協力してくださる方々のご厚意を大切に、社会に貢献し所々の問題に解決できるよう、大学での学びを頑張りたいと思います。

長谷川財団は比較的、応募のための準備が少なく、申し込みやすい奨学金です。書類選考で決定され、必要であれば面接が行われます。

学校経由で申し込む必要があります。時期が近づいたら早めに準備しておくと良さそうです。

 

まとめ

今回の記事では、「チャレンジしやすい」給付型奨学金 に申し込んだ先輩たちの体験談を取り上げました。

家計状況が厳しくなくても申し込めたり、面接のように人前で話すことが苦手な方でも挑戦しやすい書類選考のみだったり、これなら応募してみたい!と思える奨学金があったのではないでしょうか。

「なんのためにお金が必要で、どう活かせるか」を具体的に伝えたり書類(推薦書や自己PR、作文)をどれだけ充実させられるかが、採用されるキーポイントみたいですね。先輩たちが奨学金事業を行っている財団の方々に、深く感謝をされているのも印象的でした。

次回は第3回、「特別な基準」のある奨学金 を紹介します。お楽しみに!

 

その他の体験談はこちらから!

【体験談!その①】「交流」が充実している奨学金

【体験談!その③】「特別な基準」のある奨学金